規格撮影による顎関節症治療

※保険外治療になります。

顎関節症の治療は〝圧迫"と〝引き出し”では治療の方向が全く異なります。

顎関節部は、圧迫や引き出しの力が加わることが顎関節症の原因となるため、図1、図2
顎関節部の空隙量を知ることが重要となります。

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K-3.jpg例えば整形外科領域では膝関節症の診断の際にはこのようなレントゲンをとります。図3
これを顎関節の撮影に応用したものいが、ロマリンダ大学 寿谷一教授が開発した『サジタリウス3000』という規格撮影装置です。

 

K-4.jpg圧迫の場合には顎関節を構成する骨と骨の間隔が適正値よりも狭く、引き出しの場合には広くなります。
図4(上段 サジタリウス3000画像 下段 適正な空隙量まで移動したもの)
正常な顎関節の構造は、3級のテコのようになっており、例えとしては,和ばさみがあります。和ばさみは、曲がりのところが支点、握りのところが力点、刃が作用点となっております。つまり顎関節が支点、筋肉が力点、歯が作用点です。

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■引き出しの場合

引き出しが起こっている顎関節では1級のテコになっており、例えとして洋ばさみがあります。洋ばさみは中央に支点があり機能しますが、上下の歯をそっと閉じてきたときに、奥歯が最初にあったている場合、その奥歯が支点として働き、前歯が機能するときに関節の引き出しがおこります。

 

■圧迫の場合 

引き出しの場合とは逆に関節を構成する骨と骨の間隔を保てないほど、奥歯の高さが足りていなかったり、欠損しているためにおこります。もうひとつ大切なことがあります。それは関節を構成する骨と骨の間にあって潤滑剤の役目をする関節円盤というクッションのことです。関節円盤は前方は筋肉に引っ張られ後方は靭帯で固定されているのですが、骨と骨の間隔が関節円盤の厚みよりも開きすぎていると関節円盤が前方への脱落が起こり、関節の動きが悪くなったり、音がしたりしますし、逆に骨と骨の間に関節円盤が入るスペースがなくなると、関節円盤に穴があき、骨と骨がぶつかり合うようになり、骨の形が変わってきたりします。

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顎関節症の治療では圧迫と引き出しでは治療の方向が全く異なるため圧迫されているのか、引き出しなのかの診断は非常に重要となります。そのため、診断には、顎関節規格撮影に加え、咬合器による診断、顎運動検査器による診断の3つが一致して、圧迫なのか引き出しなのかの判断となります。

顎機能検査

K-6.jpg顎の関節の動きは回転運動だけしている様に思われますが、実は前後に滑走する動きもしており、多くの運動は回転しながら滑走することで行われています。
関節が動くためには、スペースと潤滑剤が必要なのですが、スペースは上下の奥歯で保たれており、奥歯が欠損したり、倒れていたりすると、スペースが少なくなります。また潤滑剤に相当するのは、関節円盤というクッションで、これが関節を作る骨と骨の間にあることで骨と骨が直接ぶつからず、スムーズに動くことができます、関節円盤が骨と骨の間からずれてしまうと、顎を動かす時に滑走しずらくなり、がくんとなったり、顎が開かなくなったりします。
顎関節をつくる骨と骨の関係は、杵と臼のような関係になっており、杵の凸面が、臼のくぼみの局面のカーブに沿って、関節円盤を介して動きます。顎関節の臼のカーブよりも、上の前歯の裏側の窪みのカーブの方が、わずかに強いほうが、顎を、前に歯を当てながら滑走させたときに奥歯が離れるので理想的です。なぜなら奥歯がぶつかっていると、磨り減って高さが保てなくなり顎の関節の圧迫が起こりますし逆に前歯のカーブの方が弱いと前に滑走させたとき、奥歯が梃子の支点となり、顎の関節を引き出す力が加わります。

 

▼顎運動検査1
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▼顎運動検査2
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顎の関節は左右の関節がひとつの骨でつながっており、左右の関節は連動して動いています。そのため片方の関節の動きが悪くなると必ずもう片方の関節に負荷がかかることが多いです。 コンピューターによる顎機能検査では、肉眼ではわかりずらい顎の動きの回転と滑走のバランスや、がくんとなる地点や運動距離を知ることができ、顎の内部でどのようなことが起こっているか推察することができます。